夢のなかで
天井のとても低い
大きな教室のようなところの
すみっこに
居た
それだけの
こと
きれいに清掃されてあって
むこうの端に
ひとが何人かいる
会議のようなものを
したような
しなかったような
それに
参加したような
しなかったような
それだけの
こと
なんという
茫漠とした
うすら寂しさだろう
夢だといいな
と
思ったが
夢のなかでは
それは夢ではなく
現実だった
それだけの
こと
ひとつの夢が終わって
それが脱ぎ捨てられると
終わった夢のなかへ
助けにいかなければいけない
たくさんの意識たちの
残滓がいる
助けに行かれずに
そのまま
消滅していくままにする
場合も
たくさんあって
無力で
残虐なぼくだな
まったく
と
いつも
思う
火の中に
どんどんくべられていく
乳児たちを
エリ・ヴィッセルが
殲滅収容所で見た時のように
非常時なので
無力で
残虐なぼくなので
それだけの
こと
0 件のコメント:
コメントを投稿