ある朝目覚めると
バイロンのように有名になっていたりは
べつにしないけれど
なぜか
埴谷雄高の『死霊』を
読み直したくなっていたり
高見順の
どれでもいいが
『故旧忘れ得べき』か
『わが胸の底のここには』あたりを
読みたくなっていたりする
で
書庫の奥から探し出して
ぱらぱらめくり始めながら
どちらも
すっかり忘れてしまっていて
それが逆に
さいわいして
楽しく読んでいけそうだと
思ったりする
ところが
そうそうに読みはじめるか
と思いきや
山下一海の『芭蕉百名言』などに
目移りしたりしている
こんな言葉に目が止まる
朝を思ひ、また夕を思ふべし。
芭蕉を愛した島崎藤村が
筆で書いたものが
掛け軸となっていたという
「行脚の掟」にあるものらしく
現在は偽作とされるが
湖十の編纂した『一葉集』にも載録されていたのを
学生時代の藤村が読み
座右の銘にしたものらしい
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