2022年1月11日火曜日

まったく風が

 

その大きな池も

晩秋

ひとりで行ってみたりすると

よいさびしさがあって

ひかりの移ろいに

こちらの人生が

すっかり

生きられていくようだった

 

たった一度だが

池の端にいて

まったく

風が立たなかった

 

ながいこと

池に向いて立っていたのに

そろりとも

風が立たない

 

鳥も鳴かず

上を飛んでもいかず

不思議なほどの

静寂だった





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