2022年1月28日金曜日

雲が切れてきてあたたかい陽が



うちの近くだが

あまり行かない坂を夜に上ったら

わああああ

霊がいるなあ

と感じた

 

べつに怖くはなく

いやな感じもなかったので

よくない霊でもなかったと思うが

ただ静かだとか

ただ暗いとか

そういうのでなしに

思いや感情のふわふわしている中を

上っていく

そんな感じが強かった

 

坂のわきには

説明の柱が立っていたりして

江戸時代から明治時代には

幕府の役人や名士が

坂の両側に住んでいたのがわかる

悲惨な事件があったとは書いていないから

ふだんは平穏な坂だっただろうが

ながい歴史の中では

なにがあったか

もちろんわからない

 

就寝してから

背や肩や首が凝って

急に咳込み

いくつもの夢を見続けたので

はやりの風邪をどこかで引いたかな

と危ぶんだが

熱もないし

ほかに体調がわるい感じでもないので

ああ

ちょっと憑依されたかな

と思いながら

目覚めては眠り

目覚めては眠りを

くり返した

 

起床しても

背や肩や首の凝りがあったので

べったりと付着した油を拭うように

そのあたりに手のひらを滑らせると

すぐに楽になった

 

あの坂にいた昔のだれかが

ひと晩

いっしょに寝たかったのだろうかと

思った

 

早朝には曇っていた空も

雲が切れてきて

あたたかい陽が射してきている





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