うちの近くだが
あまり行かない坂を夜に上ったら
わああああ
霊がいるなあ
と感じた
べつに怖くはなく
いやな感じもなかったので
よくない霊でもなかったと思うが
ただ静かだとか
ただ暗いとか
そういうのでなしに
思いや感情のふわふわしている中を
上っていく
そんな感じが強かった
坂のわきには
説明の柱が立っていたりして
江戸時代から明治時代には
幕府の役人や名士が
坂の両側に住んでいたのがわかる
悲惨な事件があったとは書いていないから
ふだんは平穏な坂だっただろうが
ながい歴史の中では
なにがあったか
もちろんわからない
就寝してから
背や肩や首が凝って
急に咳込み
いくつもの夢を見続けたので
はやりの風邪をどこかで引いたかな
と危ぶんだが
熱もないし
ほかに体調がわるい感じでもないので
ああ
ちょっと憑依されたかな
と思いながら
目覚めては眠り
目覚めては眠りを
くり返した
起床しても
背や肩や首の凝りがあったので
べったりと付着した油を拭うように
そのあたりに手のひらを滑らせると
すぐに楽になった
あの坂にいた昔のだれかが
ひと晩
いっしょに寝たかったのだろうかと
思った
早朝には曇っていた空も
雲が切れてきて
あたたかい陽が射してきている
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