2022年1月13日木曜日

「ずるい人間」

 

人間には

誰の体内にも

磁力センターとでも呼ぶべきものがあるが

 

そこから

エネルギーの巨大な貯蔵庫

あるいは

蓄電池

とでも呼ぶべきものに

繋がっている

特別な者もいる

 

グルジェフに言わせれば

それは

「ずるい人間」だ

 

「この『ずるい人間』はどのようにしてこの秘密を知ったか──それはわからない。たぶん古い書物の中で見つけたか、受け継いだか、買ったか、誰かから盗んだかしたのだろう。別にどうでもかまわない。ともかくこの『ずるい人間』はその秘密を知っており、その助けを借りて修道僧やヨーギを追いこしてしまうのだ」

 

グルジェフの知らなかったことを

開示しておこう

 

こうした「ずるい人間」は

秘密を

古い書物の中で見つけたのではない

受け継いだのでもない

買ったのでもない

誰かから盗んだのでもない

 

現象界の発生と

それを受けとめる意識と

意識されたものから「世界」を構築する思念のすべてが

わずか00000・・・1%の例外もなしに

なんの価値も根拠もない

完全なフィクションだと知り切った時

あらゆる人は

「ずるい人間」になる

 

「ずるい人間」には

「世界」は

終わっている

 

もう

なにも始まるものは

ない





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