たしかに
島田清次郎のことなど
もう
だれも知らない
新潮社の『新潮』の中村武羅夫と
社長の佐藤義亮が
新人書き下ろし作品として出版し
一大ベストセラーになった代表作『地上』四部作の
「第1部 地に潜むもの」
「第2部 地に叛くもの」
「第3部 静かなる暴風」
「第4部 燃ゆる大地」など
もう
だれも知らない
芥川龍之介が賞讃し
菊池寛が賞讃し
生田長江が賞讃し
徳富蘇峰が賞讃し
佐藤春夫が賞讃し
川端康成が賞讃し
「精神界の帝王」となった
大正から昭和はじめの大作家
島田清次郎のことなど
もう
だれも知らない
売り上げ総数は
当時として50万部
巨額の印税を得て
大正成金となった
島田清次郎のことを
もう
だれも知らない
どの時代にも
島田清次郎
現代なら
だれと
だれ
だれだれだれが
島田清次郎
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