2022年3月30日水曜日

文学!


 

文学!

 

感情や理性のコントロールが崩れた時や

外界環境や内的環境についての認識が歪み

しかるべき好ましい適応ができなくなった時の症例集

 

個人と集団

個人対個人の軋轢を

個人側のカメラで捉える例がほとんどで

レンズには広角を用いないため

発生してくるトーンは

おおかたペシミスティックであり

そのペシミスティックさが

愛好者たちにはなによりも好まれる

 

追い詰められた個人の意識が

心身の滅亡ストーリーを招来する方向へ持って行くか

破滅の中でメタレベルの幻影を垣間見るに到らせることが多く

顕現系の効果を最後に用意するものといえる

紛うことなしに宗教的な恍惚が求められている

 

文芸とは違い

文学は近代の発明で

近代ならではの商品だが

かつてならば帰属社会の神話が担っていたはずの

あまりに多くの知的負担や倫理的葛藤や

帰属社会内で発生し続ける軋轢を

個人がアトム化されたがために背負わされたものを

しばし不完全に慰撫するための

言語的ガジェット

 

他人や帰属社会との間の共通神話構造を失った近代の個人に

比較的安価に配給された小説が

主なメデイアとなった

 

小説とは

それ自体が帰属社会神話の代替物であり

宗教である

 

その小説商品から

現在

主要な役割はアニメや

SMSSNSで構築される仮想神話空間に以降し終えている

 





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