なにか
ひとに伝えたい
という思いが
まったく
ない
はじめはあったはずだが
言っても
真意は伝わらず
ましてや
こころなどは
伝わらない
そんな経験を
数えきれないほど
経てきた
伝えたい
という思いが
根っこから消滅したとしても
不思議はない
それほど
無数に経てきた
しかし
なぜだか
ことば弄りは好む
ことばは
思いやこころを
他人に伝える乗り物だと
通俗コミュニケーション論は
言いたがるが
わるいね
数えきれないほど
経てきた経験が
ことばを
思いやこころを乗せない
なにかに
仕立てあげたがる
そうして
ことば弄りといっても
昨日の弄りかたには
そうそうに飽き
みずからの
思いかた
感じかたにさえ
すぐ
うんざりする
松尾芭蕉
俳諧無門関に曰く
昨日の我に飽くべし
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