あの人
急に死んじゃったんだよ
と
峰草さんが言うのを聞いたが
驚いた
峰草さんが
死んだと言っている人が
わきに来ていて
輝かしく
と大げさに形容したくなるほど
ニコニコと
微笑んで
わたしのほうを向いたり
峰草さんのほうを向いたり
し続けていたから
その人とくらべると
峰草さんのほうが
よほど顔色が悪くて
これこそ
死
というべきものじゃないのか
と思えた
ひょっとして
わたしも
峰草さんのように
死
の顔色をしているのだろうか
と不安に思ったが
わきに来ていた人が
「いや
あなたは大丈夫」
と
言ってくれたので
安心した
つい数日前のことです
『資生堂パーラー ザ・ハラジュク』での
ランチの時間でした
明治神宮の森の
みどりが
ちょうど鮮やかに美しく
遠くの高層ビルが
遠いむかしの
夢のかけらのように
立ち並んでいるのが
窓の外に
よく
見えていました
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