思い出が
しぜんに海苔の佃煮になる海の宿で
ミシェルとノブコの
タタキをつまんで
すぐ
地酒をもらったのだが
それがソレントで
飲んだ濃いワインの味に近くて
三島潤一郎を
やっぱり『ローマ帝国衰亡史』に押し花にした
船が出るよ!
声がしたが
しきりにしたが
次の船でいいだろうと
道川繁雄とうなづきあって
ミシェルとノブコの
タタキを
また
つまんだ
「おれは猫肉のほうがいいよ」
と
道川は贅沢なことを言う
「じゃあ、ドリトル先生に出てくる
猫肉屋のマシューにでも
頼むんだな」
せっかくの人肉を前にして
わがままを言う道川に
ちょっと
腹が立ったのは
事実だ
地酒が
ほんとうに
旨い
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