夏は暑くて
汗ばんで
疲れるから
いやだ
と
単純な印象形成をして
嫌ったり
うっとうしがったりする人が多いが
ぼくは夏の子なので
暑いと
ただ暑いだけでうれしくて
もうしあわせになってしまう
じぶんで盛り立てる努力をしなくても
暑さでいいぐあいに血圧が上がって
それだけで祭りのようになるので
ただ夏というだけで
ただ暑いというだけで
もう言うことなしになる
からだはほかの人と同じだから
汗が出続けて
シャツも下着も濡れるし
取り替えたって次のも濡れるし
それはそれでもちろん面倒にはちがいない
しかし夏の暑さという海のなかに入っていると思えば
汗で濡れ続けるのなどあたりまえで
そういうものだと合理化してしまえば解決する
暑くていやだ
という言葉ばかりを言う人たちには
近づきたくもない
せっかくの夏という祭のさなかにいるのに
暑くていやだの
汗が出ていやだの
疲れるだの
だるいだの
そう洩らす人たちが
ほんとうに嫌でたまらない
どうして
暑いね
汗が出るね
ぐらいで言うのを留めて
後は黙って
団扇を扇いでいたり
ときどき冷たいものを飲んでみたり
そんなふうに
静かに涼を楽しむことが
できないんだか
と思う
いやだ
いやだ
と言っているうちに
あなたの夏も
終わっていってしまうんだよ
と
言ってやりたい人が
いっぱいいた
みんな
終わっていってしまったよ
ほんとうに
せっかくの
夏だったのに
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