2022年7月12日火曜日

死者たちの顔

 

 

一度死んだ人が、わたしの身体のなかで何度死んでもいい。

 土方巽

 

 

 

まぢかに見た死者たちの顔を

詳細に思い出したくなったので

思い出してみていた

 

そうして

気づいたのだ

 

かれらの顔は

すこしも

“死”んでなどいなかった

 

やはり

大きな考え違いを

し続けてきていたのだ

 

ためつすがめつ

見つめ続けられるようになったことを

怠惰から

“死”などと

呼んで

済まそう

過ぎ越そうと

慣らされ

強いられてきたのだった






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