2022年9月22日
夜11時になろうとする頃のこと
飯田橋4丁目の曇った空を見上げると
UFOが停留していた
いかにもUFOらしきかたちが見えた
というわけではない
雲を通して
太いふた筋の白いひかりが見えていた
筋は長くはない
長方形のひかる筒を
すこし間をあけて並べたように見えた
そのあたりには
最近できたマンションがあるので
最上階あたりから空に光を投影しているのか
ともちろん考えた
そういう光が雲に映ることはよくある
しかし
そのマンションは特別に高層というわけでもなく
しかも歩いて場所を移動していっても
雲を通して見えるひかりの筋は
見え続けていた
そのマンションのすぐ上にひかりがあるわけではなく
多少移動しても位置のかわらないほどの高さに
そのひかりの筋はあるのがわかった
空を見上げ続けて歩きながら
道行く人たちにも伝えようかと思ったが
雲の上にあるひかりを発する物体に
人びとはそんなに興味を持たないかもしれないとも思い
少しでも興味を持ってくれそうな人を探すうち
目白通りに出てしまった
大通りはこの時間車の往来は減っているが
それでも街灯や看板の明かりなどで
空は一気に見づらくなる
しかも空ばかり見ていては危ないので
とりあえずは足元や周囲を見ることになる
目白通りをわたってしばらく行けば
もう少し暗くなるところがあるのを知っているので
そのほうへ歩いて行った
通りを渡ってもう少し暗くなるあたりに着いてから
空を見上げて探し直すと
もうふた筋のひかりは見えなくなっていた
ただこれだけの事実で
UFOをちゃんと見ましたと断言するつもりもないし
そういう必要もない
しかし
雲の上になにか人工物のひかりがふた筋あって
しばらくそれが
同じ場所に停留し続けていた
あのひかりの大きさから言って総体は巨大なものと推定され
かなり大きめのUFOを想定してみると
ピッタリする現象だった
ということ
それ以上でも
それ以下でもない
実体験だ
ちなみに
この経験の前後
夜の街のそこここを見ると
見えないはずの透明のものが物体と二重写しになって
ちかちかと見えたり消えたりし続けていた
経験したこともない奇妙な現象だった
もちろん
これも
視神経や脳神経のどこかの疲労や
なんらかの短時間の麻痺から来る視覚異常に過ぎないだろう
と仮説を立てる意識は保持し続けている
他人の奇異な体験については
まっ先にこう言って批判したり否定する急先鋒が
わたしでもある
いつもならば
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