2022年9月25日日曜日

いつもならば


 

2022922

11時になろうとする頃のこと

飯田橋4丁目の曇った空を見上げると

UFOが停留していた

 

いかにもUFOらしきかたちが見えた

というわけではない

 

雲を通して

太いふた筋の白いひかりが見えていた

筋は長くはない

長方形のひかる筒を

すこし間をあけて並べたように見えた

 

そのあたりには

最近できたマンションがあるので

最上階あたりから空に光を投影しているのか

ともちろん考えた

そういう光が雲に映ることはよくある

 

しかし

そのマンションは特別に高層というわけでもなく

しかも歩いて場所を移動していっても

雲を通して見えるひかりの筋は

見え続けていた

そのマンションのすぐ上にひかりがあるわけではなく

多少移動しても位置のかわらないほどの高さに

そのひかりの筋はあるのがわかった

 

空を見上げ続けて歩きながら

道行く人たちにも伝えようかと思ったが

雲の上にあるひかりを発する物体に

人びとはそんなに興味を持たないかもしれないとも思い

少しでも興味を持ってくれそうな人を探すうち

目白通りに出てしまった

大通りはこの時間車の往来は減っているが

それでも街灯や看板の明かりなどで

空は一気に見づらくなる

しかも空ばかり見ていては危ないので

とりあえずは足元や周囲を見ることになる

目白通りをわたってしばらく行けば

もう少し暗くなるところがあるのを知っているので

そのほうへ歩いて行った

 

通りを渡ってもう少し暗くなるあたりに着いてから

空を見上げて探し直すと

もうふた筋のひかりは見えなくなっていた

 

ただこれだけの事実で

UFOをちゃんと見ましたと断言するつもりもないし

そういう必要もない

 

しかし

雲の上になにか人工物のひかりがふた筋あって

しばらくそれが

同じ場所に停留し続けていた

あのひかりの大きさから言って総体は巨大なものと推定され

かなり大きめのUFOを想定してみると

ピッタリする現象だった

ということ

 

それ以上でも

それ以下でもない

実体験だ

 

ちなみに

この経験の前後

夜の街のそこここを見ると

見えないはずの透明のものが物体と二重写しになって

ちかちかと見えたり消えたりし続けていた

経験したこともない奇妙な現象だった

 

もちろん

これも

視神経や脳神経のどこかの疲労や

なんらかの短時間の麻痺から来る視覚異常に過ぎないだろう

と仮説を立てる意識は保持し続けている

他人の奇異な体験については

まっ先にこう言って批判したり否定する急先鋒が

わたしでもある

 

いつもならば





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