気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
いちども和したことのないわたしたちが
わたしたち
を主語にして発話するとき
世界は崩壊する
いちども
ほんとうには存在したことのない
世界は
もう
一輪の花にさえ
希望(という辞書から拾ってきた単語)を
重ねて
幻灯したりしない
厳冬のなかで
厳冬そのものであること
雪女の
うつくしい伝説が
列島北方には
ある
でも
オノコロ島にまで
遡っていこう
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