2022年12月11日日曜日

いまや一身に背負わせたりして

 


このあいだ

終電のひとつ前のメトロに乗ったら

混んではいなかったが

席はいっぱいで

目的駅まで

立ったままで行った

 

座りたかったわけでもないので

かまわないのだが

立ったまま

車両内を見まわしていて

驚いてしまった

 

ぼくより若い人たちしか

終電のひとつ前の

その車両には乗っていなかったのだ

 

終電に乗らなくなって

もう長いこと過ぎ

ひょっとしたら

10年は経っているかもしれないので

終電間際の風景も

いつしか見慣れないものに

なってしまっていた

 

それにしても

驚かされてしまう

ぼくより若い人たちしか

終電のひとつ前の車両には

見当たらない

なんて!

 

つい

この間のような

気がするのだ

 

終電の電車に駆け込むと

じぶんよりも

102030も歳上のサラリーマンたちが

酒臭い息を吐いて

疲れた姿で

つり革にぶら下がっていたり

座って眠りこけていたりするのが

毎度のことだった

あの頃が

 

ぼくより

102030も歳上のサラリーマンたちは

いったい

どこへ行ってしまったのか?

ずいぶん年下のぼくに

かれらの役割を

いまや

一身に背負わせたりして





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