2022年12月18日日曜日

読者参加型のフィクション



印刷済みの年賀状とか

来年の手帖とか

買う

というので

つきあって日本橋

丸善

に行ったら

ビジネス書がごそごそと並んでいて

もちろん

毎度の光景だが

すごい量

 

学術書がではなく

ビジネス書が

である

 

いくつか

パラパラ見てみる

スッと読みやすく

わかりやすい

べき

であるビジネス書なのに

どうにも

こうにも

大学院生の下手なレポートふうの

シャッチョコばった

形式的いっぽうの記述になっているものの

けっこう多い

 

表紙や

帯には

凄そうなことを謳っているが

中を見れば

著者の能力も

編集者の能力もわかる

 

ちょっと前

ビジネス書を多く出している

どこぞの出版社の

マル秘の話を読んだことがある

 

若い社員が

仕事も

センスも

ファッションも

ライフスタイルも

“できる”男

になろうと頑張って

自社で出しているビジネス書を

きまじめに読んで

書かれていることを実践しようとしてみた

 

ところが

どうにもうまくいかない

頑張っても

数日でポシャる

こっちをうまくやれば

あっちが崩れる

 

自分って

そんなにダメか

これほど

実行力もなく

継続力もなく

調整力もないのか?

 

実行力や

継続力や

調整力をつけための

ビジネス書も

さらに読みまくってみる

 

ダメだ

実行力や

継続力や

調整力をつけための

精神力や

気力や

体力のようなものが

もともと

どうにも

足りないらしい

 

若い社員は

困り切り

だいぶガッカリして

どうしたものかと

すべて

投げ出してしまったが

様子が冴えないのを見ていた先輩の女性社員が

「あなた

どうしたの?」

と聞いてきたので

自社のビジネス書をあれこれ読んで

自己変革を試みたものの

どれもダメで

ガッカリしている

と答えた

 

先輩社員は

呆れて言ったそうだ

 

「バカねえ

あなた

うちの会社で出している本なんて

あんなの

ぜんぶインチキよ

あんな通りに行くわけないじゃないの

あれって

読者参加型の

フィクションなのよ」





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