2022年12月27日火曜日

元日は絶対にステーキだとか

 

 

日本の正月がきらいなので

正月が近づいてくると

なんとなくいやな気持ちになる

 

うして

こんなに正月がきらいなのだろう

とはたびたび考え

自己分析しようとするが

特別たいした理由があるわけでも

なさそうに思う

 

うまくもないおせちが嫌いだし

雑煮にはちょっと珍しみはあるものの

二日も続けて食べれば十分だし

むかしは3日も4日も

店は休みになってつまらなかったので

そんなことが堆積して

正月ぎらいが出来上がっていったのだろう

 

子どもの正月といえば

凧揚げ遊びなのだが

よく思い返してみると

あれも正月ぎらいになった

理由のひとつかもしれないと思う

 

凧揚げがつまらない

というのではない

しかし凧揚げにはコツや

工夫が必要で

なかなか思いどおりには

上がってくれない

 

なんども尻尾を作り直す

そのたびに家に帰ってくる

直したらまた外に出て行って試す

試すといっても

凧が引っかからないような

広い場所に行くのだから

けっこう手間がかかる

それでうまく上がればいいが

まだ思いどおりには上がらない

しょうがないので

また家に帰って尻尾を工夫する

 

こんなことをくり返すうちに

一日も二日目もダラリと過ぎていく

尻尾がうまくいっても

風がまったくなかったりすると

凧はうまく揚がらないし

風が強すぎたりすると

これはこれで揚げるのが難しい

 

寒い季節だから

外で凧揚げなどしていると

手がかじかむし

肌は乾燥してシモヤケになってくる

まだハンドクリームを

子どもの手に塗るような発想の

ほとんどない時代だった

 

ふだんなら学校にさえ行けば

いろいろな友だちがいて

じゃれあったりふざけたり

朝から夕方まで気がまぎれる

正月となるとみんな

家族でまとまって行動したり

帰省してしまったりして

冗談ひとつ伝えることもできない

 

正月の食べ物がうまいものなら

まだしも我慢ができただろうが

日本の正月料理は例のごとし

村のジサマやバサマ向きの

盛り下がる世界そのものである

元日は絶対にステーキだとか

二日目はハンバーグだとか

三日目はシチューかカレーだとか

そういうのが習俗になれば

まだまだ楽しかったんだがなあ

と悔やまれてならない





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