日本の正月がきらいなので
正月が近づいてくると
なんとなくいやな気持ちになる
どうして
こんなに正月がきらいなのだろう
とはたびたび考え
自己分析しようとするが
特別たいした理由があるわけでも
なさそうに思う
うまくもないおせちが嫌いだし
雑煮にはちょっと珍しみはあるものの
二日も続けて食べれば十分だし
むかしは3日も4日も
店は休みになってつまらなかったので
そんなことが堆積して
正月ぎらいが出来上がっていったのだろう
子どもの正月といえば
凧揚げ遊びなのだが
よく思い返してみると
あれも正月ぎらいになった
理由のひとつかもしれないと思う
凧揚げがつまらない
というのではない
しかし凧揚げにはコツや
工夫が必要で
なかなか思いどおりには
上がってくれない
なんども尻尾を作り直す
そのたびに家に帰ってくる
直したらまた外に出て行って試す
試すといっても
凧が引っかからないような
広い場所に行くのだから
けっこう手間がかかる
それでうまく上がればいいが
まだ思いどおりには上がらない
しょうがないので
また家に帰って尻尾を工夫する
こんなことをくり返すうちに
一日も二日目もダラリと過ぎていく
尻尾がうまくいっても
風がまったくなかったりすると
凧はうまく揚がらないし
風が強すぎたりすると
これはこれで揚げるのが難しい
寒い季節だから
外で凧揚げなどしていると
手がかじかむし
肌は乾燥してシモヤケになってくる
まだハンドクリームを
子どもの手に塗るような発想の
ほとんどない時代だった
ふだんなら学校にさえ行けば
いろいろな友だちがいて
じゃれあったりふざけたり
朝から夕方まで気がまぎれる
正月となるとみんな
家族でまとまって行動したり
帰省してしまったりして
冗談ひとつ伝えることもできない
正月の食べ物がうまいものなら
まだしも我慢ができただろうが
日本の正月料理は例のごとし
村のジサマやバサマ向きの
盛り下がる世界そのものである
元日は絶対にステーキだとか
二日目はハンバーグだとか
三日目はシチューかカレーだとか
そういうのが習俗になれば
まだまだ楽しかったんだがなあ
と悔やまれてならない
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