2023年3月8日水曜日

空さえ匂っているとまでは

 

 

梅の花を

そのかおりを

春の

あけぼのとあわせて

まだ

若かった

藤原定家が

こう

歌っている

 

梅のはな

こずゑをなべて

吹く風に

空さへ

匂ふ

はるの

あけぼの*

 

吹く風が

梅のかおりを運んで

空さえ

匂っているよ

歌っている

 

梅の香で

空さえ

匂っている

までは

なかなか

歌われない

歌われまい

現代の

詩歌では

 

空さえ

匂っている

までは

 


 

 

*藤原定家『初学百首』(1181






0 件のコメント:

コメントを投稿