2023年5月18日木曜日

すううううう

 

 

詩歌をつくるのは

金魚すくいのあのポイで

薄紙が破れないように

水の抵抗をゼロに近づけて

金魚をすうううううと

すくうようなこと

 

紙に水圧がかかっては

もちろんいけない

速すぎてもいけないが

遅すぎれば

金魚は逃げてしまう

 

ポイが

こころであったり

ことばであったり

思念であったりするのは

わかるが

はて

金魚とはなんだろう?

詩歌の場合?

 

うまくすくって

アルマイトの器に

ほとっと移した時に

ふっとすがたを消してしまったり

死んだように浮いてしまったり

かと思えば

思いもかけないすがたの

異様な化けものとなったり

することもあって





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