2023年7月20日木曜日

ドミツィアナ・ジョルダーノの若さ

  

 

ランチを

遅く

小さな林檎と

妻の焼いたケークサレ数切れと

エスプレッソカップの

少量のコーヒーとだけで

ごく軽く

ゆっくり食べながら

タルコフスキーの『ノスタルジア』を

ひさしぶりに

見終えようとしていた

 

主人公の詩人アンドレイ・ゴルチャコフが

通訳のエウジェニアを伴って

作曲家パーヴェル・サスノフスキーの伝記を書くために

取材でトスカーナを訪れるわけだが

今回気づいたのは

エウジェニアを演じるドミツィアナ・ジョルダーノの若さだった

パーマのかかった長い髪で

いつもマントのようなものを着ていて

歳ではないものの

そこそこの年齢の女性のように記憶していたが

顔の肌の若さが

今回はよく見えた

 

せっかく

ふたりでトスカーナまで来たのに

じぶんを愛してくれないゴルチャコフに怒り

胸をはだけて

乳房を見せさえするエウジェニアだが

その乳房も若かった

 

この女優の

これほどの若さに

どうしてこれまで注目しなかったのだろうと

今になって

不審に思ったほどだった

 

もちろん

こちらが歳をとったからで

年齢の落差が

おのずと強い衝撃のようなものを生んで

女優の肌の若さを

いや増して際立たせたのだ

 

 






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