スマホで
SNSだったか
さほど重要でもない
穴埋め記事的なニュースのたぐいだったか
タラタラタラタラっと見ていたら
作家だか詩人だか
そんな肩書きをわざわざ名前に冠したひとが
文学っていうのは
いつも弱い立場のひとの側に立って書くものでないといけない
みたいなことを
言っていた
こいつ
ニセモノだな
すぐ
そう思った
きっと
曹操の詩なんて
読んでいないに違いない
詩人にして
かつ
機知と権謀
奸計の才に富む軍人で
王で
極めつきに残虐で
徐州に侵攻した際には数万人を殺し
『後漢書』や『曹瞞伝』では
「曹操は数十万人の男女を殺し
曹操の軍の通過した所では鶏や犬の鳴く声さえ聞こえなくなり
死体のため泗水の流れが堰き止められた
と言われるほどの惨状であった」
という曹操の詩を
曹操のような殺し屋など
詩人ではない
などとは
ほざくでないよ
どちらこそが詩人であるのか
ヘンな勝負には
出ないほうがいい
古い中国詩に
張りあえるような強さや
煮ても焼いても食えぬ
つかみどころのないしたたかさを
日本の文学は
備えたことなどない
花田清輝や
宇治拾遺物語や
古事記や
日本書紀など以外は
弱い立場のひとの側に立って
いつも書いていられるほど
文学は甘っちょろいものではない
徹底的に強い
勝ち組の
裕福な美男子が
なんと幸せなわが暮しよ
というようなことを
ちょろちょろっと書いたとしても
それが
ぶったまげるような珍品だったり
名品だったりしたら
絶対に認めないといけないのが
文学というものだ
そもそも
薩長の権力争いに負けた側が拵えた
文学
なる言葉に
今さらこだわる必要もなく
文芸とか
戯作とか
狂歌とか言っておけばいいので
いつまでも
明治ブンガクの成立事情のほの暗さ
しみったれ具合なんかを
検討し直しもせずに
言ってんじゃないよ
ブンガク
ブンガク
ブンガク
なんて
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