2023年8月24日木曜日

こいつニセモノだな



スマホで

SNSだったか

さほど重要でもない

穴埋め記事的なニュースのたぐいだったか

タラタラタラタラっと見ていたら

作家だか詩人だか

そんな肩書きをわざわざ名前に冠したひとが

文学っていうのは

いつも弱い立場のひとの側に立って書くものでないといけない

みたいなことを

言っていた

 

こいつ

ニセモノだな

 

すぐ

そう思った

 

きっと

曹操の詩なんて

読んでいないに違いない

詩人にして

かつ

機知と権謀

奸計の才に富む軍人で

王で

極めつきに残虐で

徐州に侵攻した際には数万人を殺し

『後漢書』や『曹瞞伝』では

「曹操は数十万人の男女を殺し

曹操の軍の通過した所では鶏や犬の鳴く声さえ聞こえなくなり

死体のため泗水の流れが堰き止められた

と言われるほどの惨状であった」

という曹操の詩を

 

曹操のような殺し屋など

詩人ではない

などとは

ほざくでないよ

どちらこそが詩人であるのか

ヘンな勝負には

出ないほうがいい

古い中国詩に

張りあえるような強さや

煮ても焼いても食えぬ

つかみどころのないしたたかさを

日本の文学は

備えたことなどない

花田清輝や

宇治拾遺物語や

古事記や

日本書紀など以外は

 

弱い立場のひとの側に立って

いつも書いていられるほど

文学は甘っちょろいものではない

 

徹底的に強い

勝ち組の

裕福な美男子が

なんと幸せなわが暮しよ

というようなことを

ちょろちょろっと書いたとしても

それが

ぶったまげるような珍品だったり

名品だったりしたら

絶対に認めないといけないのが

文学というものだ

 

そもそも

薩長の権力争いに負けた側が拵えた

文学

なる言葉に

今さらこだわる必要もなく

文芸とか

戯作とか

狂歌とか言っておけばいいので

いつまでも

明治ブンガクの成立事情のほの暗さ

しみったれ具合なんかを

検討し直しもせずに

言ってんじゃないよ

ブンガク

ブンガク

ブンガク

なんて






0 件のコメント:

コメントを投稿