秋冷というほどではないが
長く歩いても
もう
汗ばむこともない
夜の入り
JRの線路の下を抜ける道を通る際に
列車が数本通過し
すさまじい轟音がしばらく続いた
ガンガンと
体を叩きつけてくるような轟音だが
ふと気づいた
この音が
少しも不快ではないのだ
生活の中で
ふつうに聞くような音でない
あまりの轟音なのだが
これを鼓膜に受け
頭に受け
うなじに受け
肩に受け
背にも受けていると
じぶんに被さっていた澱みや
溜まっていた滞りが
どんどん落されていくようだった
こういう轟音の中に入って
こんな気持ちになったことはない
強い音による
不思議な禊ぎというものも
あるわけか
お祓いのようなことも
起こったりするのか
そう思いながら
むしろ
心地よく
列車が通過していく下で
洗われていくような
爽やかさが
うれしかった
0 件のコメント:
コメントを投稿