2023年10月27日金曜日

轟音


 

 

秋冷というほどではないが

長く歩いても

もう

汗ばむこともない

 

夜の入り

JRの線路の下を抜ける道を通る際に

列車が数本通過し

すさまじい轟音がしばらく続いた

 

ガンガンと

体を叩きつけてくるような轟音だが

ふと気づいた

この音が

少しも不快ではないのだ

 

生活の中で

ふつうに聞くような音でない

あまりの轟音なのだが

これを鼓膜に受け

頭に受け

うなじに受け

肩に受け

背にも受けていると

じぶんに被さっていた澱みや

溜まっていた滞りが

どんどん落されていくようだった

 

こういう轟音の中に入って

こんな気持ちになったことはない

 

強い音による

不思議な禊ぎというものも

あるわけか

お祓いのようなことも

起こったりするのか

 

そう思いながら

むしろ

心地よく

列車が通過していく下で

洗われていくような

爽やかさが

うれしかった






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