つひにゆく道とはかねて聞きしかど
昨日今日とは思はざりしを
在原業平
スーパーマーケットも
ちょっと大きなところになると
並んでいる惣菜や弁当の量がすごい
ランチ用ならともかく
夕食の準備を控えた時間にも
いっぱい並んでいる
そういうものは
夕食を作る時間がない日や
じぶんで作るのが
なんだか面倒な時に
しかたなく
ちょっと恥ずかしげに
買っていくものと思ってきたが
昨今はそうではないらしい
毎日のように
惣菜や弁当を買っていって
それを食べて夕食を済ましてしまう家も
けっこうあるらしい
他人の家のことは
その家のやりかたの問題なので
どうでもいいのだが
さびしいというか
大丈夫なのだろうかと
ちょっと不安になるというか
いろいろなことを
思いはする
他の食材も売っている
スーパーマーケットにあるものだから
つい身近に感じられてしまうが
ああいう惣菜や弁当には
消毒剤を混ぜたりかけたりするのが
義務づけられているし
使われている添加物の量も
けっこうあったりする
だから生の味が問われる寿司など
いい素材を使っていると謳っていたり
中トロだのなんだのと謳っていても
いまひとつうまくなかったりする
消毒剤や添加物が味の邪魔をしているのだ
クリスマスの頃から
スーパーマーケットの惣菜や弁当は
グンと豪華になってきて
ふだんよりもパーティー用のものが増える
見ているとけっこううまそうにも思う
けれどもすごくうまいわけではないのは
これまでの経験からわかっている
なんとなしの特別感を見てとったり
年末の賑やかさをちょっと吸ったりすれば
それでいいのだと思いながら通り過ぎる
食事を作るのが大儀になった老人たちも
スーパーマーケットの惣菜や弁当は
ずいぶん利用しているそうだが
毎晩毎晩のメインの食事を
スーパーマーケットの惣菜売り場で買う
寿司やハンバーグや焼肉やシチューなどで
済ましていってしまうというのは
それなりに長かったその人たちの人生の
済ましかたとして本当にいいのだろうか
などとどうしても思ってしまう
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