2024年1月10日水曜日

(……とも見える)


 

      わたしはその町々に火を送り

  火は城郭を焼き尽くす

      ホセア書 814

 

 


 

元日から大災害が起きて

翌日も

羽田“国際”空港で

炎を見せつけられたことは

日本を守護する最大の霊的勢力の

神道が

完全に力を失ったことを

示している

(……とも見える)

 

新年には

仏教も

その中の最もスピ系の密教も

国家と国民守護の儀式をするものなので

それらの力も

完全に形骸化し

失われたことを意味する

(……とも見える)

 

日本は

いかんとも止めがたい

滅びの急坂を

転げ落ちはじめた

(……とも見える)

 

ついに開いた

巨大な闇黒の穴は

あまりに強力な吸引力があるので

ちょっとやそっとの抵抗力や

霊能力や

祈祷力などでは

どうにもならない

日本列島にいるどのような者も

排水溝に飲まれていくように

吸い込まれていき

家族や仕事集団や同好の者たち丸ごと

力が無化される渦に

巻き込まれて消滅していく

(……とも見える)

 

もはや

なにをやっても

どうじたばたしても

いかなる家族にも

集団にも

未来はない

たったひとりで

激流のなかで翻弄される舟に

どうにか乗っているほうが

まだ保つかもしれない

(……とも見える)

 

これからは

ほんとうの虚無主義の時代に入る

なにひとつ

未来に残そうとせず

作り出そうなどとはせず

今日はきれいな空が見れた

道端に美しい花が咲いているのも見られた

暖かい午後が楽しかった

などと

死刑囚が

ひとつひとつを楽しんで

一日一日の充実を噛みしめ

確認して

来たるべき死に臨むようにするのが

もっとも賢明な過ごし方となる

(……とも見える)

 

いやおうなく

周囲に増えていく

急死や滅びの光景やニュースに

どんなひとの心も

異常な時期に入ったのだと

目覚めていくだろう

いまさら目覚めてもしかたないのだが

できることはじたばたし過ぎない

心の持ち方を

なんとか

しようとするだけなのだとは

わかるだろう

(……とも見える)

 

人生でなにかを遂げようとして

時間や忍耐を労して

やり続けた仕事や作業のすべてが

なにひとつ残らずに

消滅し

忘れられていくのが

痛烈に認識されるようになる

モノとしては

なにひとつ残っていかない

しかし為したことは

魂には残っていくだろう

などと言いはじめるひとたちが増え

それがいっそう

滅びの時代を印象づける

(……とも見える)

 

彼らは風の中で撒き

嵐の中で刈り取る

芽が伸びても

穂が出ず

麦粉を作ることができない

作ったとしても

他国の人々が食い尽くす

  (ホセア書8-7)






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