2024年1月25日木曜日

卒業式のホールになんか入っていかない

 

 

 

形式というものが嫌いなので

形式をむやみに有り難がる

日本のブンカ

と呼ばれるものは

ほぼ嫌い

大嫌い

 

ただ

形式というものに付随する

便利さや

ちから

そういうものは認める

 

けれど

とにかく

形式が大嫌い

 

よくもまァ

形式主義の精神停滞列島で

生きてきたものだと

思う

親ガチャならぬ

生れガチャ

宿命

生れ墜ちてのわびしい定め

そんなところ

 

そんなニホンブンカの中でも

形式だけで

多量の金を集めようとし続ける「~道」なるもの

茶道だの

華道だの

書道だの

あの手のものは

話を聞くのも嫌い

大嫌い

関わっている人たちに会うだけで

気分が悪くなってくる

 

入学式とか卒業式というのも

ジーンズで行った

というか

大学の卒業式には

そもそも

出なかった

大学には出かけていったが

卒業式のホール近くでたむろして

出席しない数人の友人らで

煙草を吸ったり

駄弁ったりしてすっぽかした

そんな時代でもあった

式が終わると

学科ごとに教室に行って

卒業証書をもらう

よく知っている教授たちから証書をもらう

それには参加した

 

就職もするつもりはなかったが

金がないから

しかたなしに就職試験や面接に行ったが

ジーンズに

ありあわせのジャケットで行った

まわりを見ると

みんな

スーツを着ていたので

おなじような年齢なのに

みんな

こうなっていっちゃうんだ

仕事とスーツは関係ないはずなのに

こうなっていっちゃうんだ

とショックだった

いまのように

型にはまったリクルートスーツの概念が

まだなかった時代だったが

それでも

ああなっていっちゃってた

 

形式主義の精神停滞列島は

あまりに空疎な形式主義の鶏ガラっぷりに

寒々と底力を失って

だんだんと難破船になってきて

外国が攻め込むのに

都合のいい軟弱ぶりを露呈している

 

ほら見たことか

と思いながら

それでも

ずいぶん長く誤魔化してきたものだよなあ

「美しい国」とか

「神の国」とか

プレゼンの見栄えのよさだけ競って

形式だけ持ち上げて

そこにウジ虫のように集まって汁を吸いあって

ほんとの名前は統一教会とか

パソナとか

ジャパンハンドラーズとか

シーアイエーとか

 

卒業式の行なわれているホールの外で

ぼくは煙草を吸ったり

友人たちと駄弁っていたりしながら

思っていた

このつまらない惑星に

先人たちが残した言葉や表象の数々を

つまらない星ながらも心奪われる自然現象とともに

どれだけたくさん

脳髄に吸い込ませていけるかな?

 

卒業式のホールになんか

入っていかないことで

また

旅が始まったな

って

 

ほんとに

始まったな

って





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