2024年4月6日土曜日

人生はたくさんの友だち資格認定試験をしかけてきて

 

 

 

心の友は稀なるものなり。

山本常朝 『葉隠』

 

 

 

 

年齢をかさねてくると

友だち

などと思っていたひとたちが

たいして

友だち

などでは

なかったのが

よく

わかってくる

 

学校とか

職場とかで

おなじ箱に放り込まれて

おなじ条件を生かされたどうしで

一定の範囲の共通感覚を経験し

それを共通言語で伝えあい

おなじ箱のなかにある者どうしとして

とまどいや不安を

紛らわしあった相手が

友だち

そういうものでしかなくって

もっと正確に言うなら

そもそも

同僚

だとか

同窓

程度でしかなかった

 

友だち

などという

ありふれた言葉を

幼時から使ってしまうように

幼少期日本語会話初歩の段階で

導かれてしまったので

友だち

という言葉にまつわる錯誤に

一生

惑わされることに

なってしまう

 

人生をながく生きて

その後に

あれこれについて

深く対話できるようなひとだけが

友だち

外でかけまわったり

水蹴り遊びをしたり

いたずらをしかけあったり

アイスをいっしょに食べたりなど

したからといって

友だち予備軍役とか

友だち候補生でしかないよ

それから先

人生は

たくさんの友だち資格認定試験をしかけてきて

ほとんどすべての

予備軍役や候補生はふるい落とされてしまう

たぶん千人にひとり

残るか

残らないかの

ほんとうに狭き門なんだよ

 

幼稚園に上がるか

上がらない頃に

そのように

教えておいてやるべき

かも

しれない






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