2024年11月3日日曜日

11月3日書

 

 

 

日本の空気のなかに

堪えがたくなりそうなつまらなさと

どうしようもないほどの衰微が

日によって濃淡はあるものの

しばらく前から顕著に漂っていて

もはや無視できないほどになっているのだが

ひとびとは感じないのだろうか?

 

すでに血のめぐりが鈍って

終わっていこうとしている瘡蓋で

日本が覆い尽くされている

この瘡蓋がすっかり除かれるまでは

芽生える新しいものも一切なく

新鮮な空気も新たな肌に届かない

瘡蓋は重過ぎひとりでに消え去りはしないので

意志を以て除かねばならないのだが

この数十年で日本から消えた最大のものは

なにより意志だったのだから

瘡蓋は出てくる新芽をすべて圧死させても

なおも居座り続けるだろう

 

瘡蓋とていつかは分解されていくが

それまでにはまだ十年以上はかかるだろう

この数十年で大人になった者たちが

思いつきもできなければ

受け入れもできない手段でしか

瘡蓋を取り除くことはできないが

場合によっては大災害や侵略が

そのかわりを担ってくれるかもしれない

しかし復興など考えもできないほどの

巨大な大災害でなければならない

 

 

 




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