北極や南極を探検したアムンゼンには
子どもの頃
ずいぶんとあこがれた
子どものアムンゼンは
極地の寒さに耐えうる体を作ろうと
真冬でも寝室の窓を開けていた
子どもたちを奮い立たせる有名な話だが
これをもろに真に受けて
ぼくも冬の窓を開けて勉強した
ノルウェーのアムンゼンと違い
関東地方の冬の寒さなど
比べものにならないほど甘いが
それでも机のわきの窓を開けると
体や腰などはいいとしても
手指はずいぶんと凍える
鉛筆も持てなくなったり
ページも捲りづらくなる
そこでネスカフェの空瓶に
湧かしたお湯を入れてきて
よく瓶を握ってかじかみを凌いだ
こんな子どもっぽい試みのおかげで
寒さにずいぶん強くなった…
などとはまったく思わないけれど
気温が4度や5度ぐらいなら
シャツに薄いジャンパーだけで
寒がらずに平気で出かけるのだから
アムンゼン鍛錬もちょっとは
効き目があったのかもしれない
上には上があって
極寒のチベットの密教修行僧は
寒い空気の中でシーツ一枚を巻いて
平気で眠りに就くのだそうである
そのぐらいできなければ
とてもではないが悟りには達し得ない
もっともこれには秘密があって
体温で膨らむと布の中は暖かいのだ
もちろん羽布団や防寒繊維のようにはいかないが
それでもじつはけっこう暖かいらしいと
実地で試してきた人たちからの話で
想像してみたことはある
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