2024年12月17日火曜日

まだ天使と遇う前の


 

あわい

あいじんが

化粧も

うすくしかせずに

あわく

街に出て行くゆうぐれ

八百屋では

葱のしろさが

つやつや

頼りがいあるように見え

とおい春の

しろつめ草の

みどりを

ぼくは思い出して

あいじんの背の

かなしさを

ああ

真夏のふたりだけの浜でこそ

見ていたい

なんとか

こころを遠ざけ

遠ざけて

その冬も越えていこうと

していた

 

まだ

天使と遇う前の

薄っぺらい






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