気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
あわい
あいじんが
化粧も
うすくしかせずに
あわく
街に出て行くゆうぐれ
八百屋では
葱のしろさが
つやつや
頼りがいあるように見え
とおい春の
しろつめ草の
みどりを
ぼくは思い出して
あいじんの背の
かなしさを
ああ
真夏のふたりだけの浜でこそ
見ていたい
と
なんとか
こころを遠ざけ
遠ざけて
その冬も越えていこうと
していた
まだ
天使と遇う前の
薄っぺらい
冬
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