2024年7月12日金曜日

細道


 

 

どこにいても

なにを目の前にしていても

見えたり

触れたり

聞こえたりする現実は楽しくて

飽きることがない

 

外に出る

 

道でも

駅の階段でも

ホームでも

改札口近くで

ひとが混み合っている時でも

電車のなかでも

ひとびとが

そのひとそのひととして

しっかり在るのが

見ていて

飽きることがない

 

昨今は

ひとびとが

スマホばかり見ているといわれるけれど

スマホに見入っている様子を見ると

小さなおもちゃや

昆虫や

わくわくするような玩具を

思わず見つめている子どものように見えて

やはり見飽きない

 

毎日のように

起こり続ける出来事を聞けば

ひとびとの思いや心のなかには

他人に害を為すものもいっぱいあり

無関心や無視もいっぱいあり

悪と言っていいものもいっぱいあるはずだけど

外から見られる顔にもからだにも

不思議と悪は見えない

犯罪者や事件を起こしたひとを見ても

実際にはそれほど

悪人らしくは見えない

 

人間の顔やからだは

そう簡単には悪に染まれないものではないか

と思う

 

というより

顔やからだの層には

たぶん

悪はない

 

ただ見れば

そこにありありと見える

ひとびとの顔やからだというもの

それらをこそ

見続けて

この世とつき合っていく細道も

ある

 

 



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