近くの大きな団地では
もう夏祭りのやぐらも立って
ぼんぼりもいっぱい
灯も入って
だれもいない夜
きらきらと
静かにはなやか
祭りの日には
わあわあと人が出て
焼きそばに
たこ焼き
わたあめに
チョコバナナ
金魚すくい
射的
古めかしい曲で
盆おどりの輪はまわり
着なれない浴衣で
子どもたちはつくる
夏の夜の思い出
わあわあ賑わう
たった幾夜かの雰囲気が
子どもたちの心には
いつまでも残り
夏の芯となり
ああ、また
あの時のように
わあわあ賑わうかなと
どこのやぐらを見ても
心さわがせる
にっぽんの夏は
暑くて暑くて
でも
お祭りは
いいものだったよ
みんな
暑い暑いと言いながら
汗かいて
ソース味の濃いものを
買い食いして
おどりの輪に入ったり
外に出て休んだり
なんだか誰もがみな
とうに死んでしまったように
ふらふらお祭りの場を
あっち行ったり
こっちに来たり
…そんなふうに
思いながら
逝くんだろうな
にっぽん人を
やめていく時には
みんな
みんな
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