2012年8月18日土曜日

曇った夏の日



暑さがすこし薄れ
朝まだきより曇り空
昼前には激しい雨となった

午後には雨もやんで
静かに
静かに
蒸してきた         

たまに涼しい風が来る
吊るしてある風鈴の
短冊が揺れるが
それでも音の立たないほど
よわく

真夏の雑草は茂り
あちこちで
虫の声がやまない
目を瞑れば
懐かしいところからの
遠い貴重な音のよう

子供の頃なら
はっきりしない
いやな天気と思ったか
しかし
曇った夏の日も
やはり夏の日

一年の最も元気な頃の
思い出となるべき時間が
まだ思い出となり切らずに
空と地面のあいだを
湿り気となって
ひと気のなさとなって
生きているところ



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