暑さがすこし薄れ
朝まだきより曇り空
昼前には激しい雨となった
午後には雨もやんで
静かに
静かに
蒸してきた
たまに涼しい風が来る
吊るしてある風鈴の
短冊が揺れるが
それでも音の立たないほど
よわく
真夏の雑草は茂り
あちこちで
虫の声がやまない
目を瞑れば
懐かしいところからの
遠い貴重な音のよう
子供の頃なら
はっきりしない
いやな天気と思ったか
しかし
曇った夏の日も
やはり夏の日
一年の最も元気な頃の
思い出となるべき時間が
まだ思い出となり切らずに
空と地面のあいだを
湿り気となって
ひと気のなさとなって
生きているところ
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