2015年9月12日土曜日

そんな歌い出しだったような




あたらしい朝が来た…
希望の朝が…

そんな歌い出しだったような
ラジオ体操の歌
子どもの頃の夏の日課の

ハンコをもらう葉書大の紙に
紐を通してぶらさげて
眠い目を
しばしばさせながら
ひとしきり
体を動かすと
なんだか
もうそれだけで
その日やるべきことが
済んでしまったような感じで

あざやかなツユクサを
ちょんちょんしたり
あれこれ
雑草を引っこ抜いたりしながら
また一日
盛大な暑さを捲き起こす
夏というものの気に包まれ切って
朝ごはんに戻っていく…

あたらしい朝が来た…
希望の朝が…

そんな歌い出しだったような
子どもの頃の夏の
あの真実の歌

すべての朝はあたらしい
起きるかぎり
どの朝も希望の朝…

そんな歌い出しだったような




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