日本の老詩人たちは
だれにしろブルジョア
会えばがっかりする
自分の詩商品を
おゝどうか読んでくれ
おゝ買っておくれ
などと聞かされては
アメ横のいんちきトロ売りと
変わるところがない
詩人はかっこよくなきゃ
老いとともに物など
どんどん棄てて
それでも感性だけは研ぎ
学びだけは激しく
なお新たな言語を学んで
未知の詩歌を求め続ける
未知の思考に出会い続ける
そうでなければ
詩人などとは呼べない
剃刀の上に立つ定め
それが詩人で
だからこそ人は見上げる
あいつオカシイんじゃないか
あいつなにを無意味なことを
そう言いながら人は
自分が絶対賭けられないものを
公然と戯れに賭けて
谷底に呑まれていく詩人を
ひょっとしたら唯一
人間の代表じゃないかと
畏れはじめていく
0 件のコメント:
コメントを投稿