駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2016年6月16日木曜日
わたしの顔の来し方
世の中に向かって…
顔を上げたことなど一度もなくって
わたしの顔はわたしの顔だけに向かって
いつもさざ波していた
岩も波止場もない
さざ波だけの浜辺で
わたしの顔は
ときどき
なにか声に出してみたがったが
つぶやきさえしなかった
それが
わたしの顔の来し方
生き方
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