2017年1月22日日曜日

ベチョッ



年末年始は
いつものようにナシ
締切のある仕事が
ドッと押し寄せ
特に正月休みというものは
この十年ほどは
あったためしがない

そんな仕事のさなか
有名な虚子の句に
また
出会った

人生は陳腐なるかな走馬灯* 

うまく言っている
どう生きても
人生は陳腐なもので
地球外から見れば
ドングリの背比べどころか
カビの伸び比べでしかない

反省というものも
後悔というものも
一切しない性質なので
陳腐
けっこうじゃないか
と楽しくなる
生きていても
とうに死んでしまっていても
どうでもいい陳腐さ
生まれてよかったとか
やっぱり生まれなきゃよかったとか
そんなことさえ
どうでもいい
陳腐さ

結局のところ
口から肛門まで
ものを流し込んで
ずるずる
ぐづぐづ
移動させながら
ベチョッと
ひねり出す作業を
えんえん
老いも若きも
美しきも
やゝ難ありさんも
続けていくだけのこと
いやいや
アタマの中では
精神が蠢いておるぞと
いかに言い張りたくても
下部構造のほうで
たいてい多大な時間や
注意力や労力は
取られっぱなし
陳腐と言わずして
これ
なんと呼ぶべしや?

ずるずる
ぐづぐづ
ベチョッ

ずるずる
ぐづぐづ
ベチョッ

ずるずる
ぐづぐづ
ベチョッ

まぁ、お下品な
とおっしゃる奥方
いま
あなたさまが
お化粧室でいたして来られたのは
オノマトペにすると
どんなふうで御座いましょう?
ベチョッ
でないとすれば
プカッとか
プ~っとか
スフ~っとか
ドロドロドロドロ
ビッとか?

オノマトペにすると?


*人生は陳腐なるかな走馬灯 高浜虚子




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