見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮
藤原定家
墓石は花を呼ぶ…
青空
海の遠さ
どこかの高原からの
すずしい風まで
呼んでいるようだ
花が美しいので
ぼくは
いつまでも
その墓石のそばにいた
…なんの表象にも
なってしまわないように
その墓石は
だれのでもない
それは
墓でさえない
たゞの
ことばの
墓
まるで
実在の墓を
思い浮かべちゃいました?
いいえ
たゞの
墓という文字
たゞの
墓石という二文字
だから
言葉はこわい
だから
言葉の科学がほんとうに必要
だから
わたくしは言葉並べを続けている
言葉に誑かされ続ける
人類のために
ね
ほんとに
ね
ということで
墓石は花を呼ぶ…
と始めた
言葉並べを
このあたりで
終える
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