もう問いを立てたりもしない

あしたは

雨が

降るという日の

もう

空気の湿ってきた

前日の雰囲気

前日気分

あらためて

感じ直してみると

これも

なかなか

わるくはないものだった…

ちょっと前

ちょっと昔と

もう

言いたいような

あの頃

こんな梅雨の日

その頃少し

つき合いの繁くなっていた人と

誘いあわせて

美術館に行ったことがあった

なんの展覧会だったか

もう

忘れてしまっている

しかし

庭のことは覚えているのだ

梅雨時ながら

雨の絶間の薄曇り

そんな午後で

庭の緑はいよいよ濃くて

美しかった

今ごろ京都の

どこどこに行ったらさぞや…

奈良のどこどこも…

そんな話をしながら

しかし

京都にも奈良にも行かず

東京の

その美術館にいて

のんびり

入り組んだ庭の径を

辿り続けた

幸せとはなにか…

答えは出ているので

もう

問いを立てたりもしない