2017年10月25日水曜日

かしらネ…


    不幸だ、不幸だ、大いなる都、
麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、
金と宝石と真珠の飾りを着けた都。
あれほどの富が、ひとときの間に、
みな荒れ果ててしまうとは。
(……)
ともし火の明かりも、
もはや決してお前のうちには聞かれない。
なぜなら、お前の商人たちが
地上の権力者となったからであり、
また、お前の魔術によって
すべての国の民が惑わされ、
預言者たちと聖なる者たちの血、
地上で殺されたすべての者の血が、
この都で流されたからである。
「ヨハネの黙示録」18
  

直ちに人体や健康に影響を及ぼす数値ではない、と
その年の流行語になった台詞をくり返した政治家が
新しくできた群れの首領にいつのまにか成って
巨大台風も去った後の
気圧も平常に戻った数日
めっきり体調もよくなってきた感じがしているところだが
かつて脳腫瘍を患った知人のそのまた知人は
かえって体調不良に苦しむようになったというから
天候だの環境だのの状態というのは
なんとも万人向けには出来ていないものらしい

直ちに平和や社会生活や個人生活に影響を及ぼす政治崩壊度レベルではない、と
どうやらたくさんの人々が安心し切っている政治後進国は
数年後の開戦にむけての準備が本格化する段階にとうとう入ったが
いつものとおりこの政治後進国では
どうでもいい結婚式や葬式のようなぐあいに
すべてがもっともらしく
あの時はしかしどうにもできなかった型に則って
粛々と大量死の時代へと舵を切って行っている

死ぬのは誰だろうな?
最初に死ぬのは?
どの地方のどこに核ミサイルが落ちるだろうかな?
そしてその後は
政治後進国民総出で半島に雪崩れ討ち
列島内の半島民たちも街の通りや河岸や岸壁や山野で
かたっぱしから虐殺ということになるのが私たち幻視家には見える
昔と同じように
はひふへほと言ってみろ
などという簡易尋問がなされて
言えなければ頭遺骨かち割ってすぐに処理
そんな光景が
ちまちまと平和な美しい国の空気の中に
もわもわぁっと
しかし
ハッキリ漂ってきましたなァ

秀吉が甥であり養子である息子とその愛人たちをどう殺したか
武田が遊び女たちをどう殺したか
そんなことをこまごまと思い出すまでもないこの政治後進国の残忍さは
われらが血の一滴一滴にふかくふかく潜行して流れ続けていて
70年や80年も抑圧されてきたとなれば
そろそろ派手に暴発して陽の目を見たがる頃あい
殺し方にかけちゃ
草食系のほうがホントは怖い
調理場での仕込みのように地道に成果を出していく
開店前の地鶏専門の焼き鳥屋の調理場では
夕方から焼かれる鶏の死体が積まれて
こつこつキレイに解体され
串刺しにされていくのが日常の光景だが
いくさとなれば材料が他国の人体に置き換わるだけ

平和を売り物にして70年余
じつは羊頭狗肉だった政治後進国がどのように
世にも残虐な交戦国に雪崩れていくか
これはこれ
めったに見られぬ名場面
さあ御立会い御立会い、と
宇宙中にもう前宣伝が飛び交い始めている
まずは列島からミサイルを着弾させ
小さな自治体いくつか分の消滅を出来させて
そこから始まるリベンジの大作戦
今から日章旗を多量に印刷しておくと大儲け間違いなしと
大中小の様々な業種が動き始める
もう間近
もう間近

人生設計だとか人生計画だとか
夢だとか希望だとか
(あ、「希望」という単語にはすでに泥が着いたわネ…)
そんなものが個々の人体の脳内で機能するのはせいぜいが後二年ほ
もう来年から怪しくなって
二年後にはミサイル着弾
冗談でなく竹槍や爆弾抱えて三銃士が復活し
ただでさえ人口減少の加速するこの国をすかすかの荒涼地にしてい
マクベスの魔女たちのいるところ
ファウストの通過する荒地
そんな光景に実際に居合わすことができるのも
これはこれ
なかなか洒落た神様の御演出というもの
かしら

かしらネ…



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