強風に揉まれる深夜の雨は布となって翻りつづけ
街灯のあかりや
ビルの窓から洩れるあかりを受けて
白くもつれたり
闇のなかに沈んでいったり
またこちらに浮かび上がってきたりして
宙を舞う潮のように見飽きない
いくつもの乱れた弧を描きながら
暗い空へと巻き込まれ
上昇していったり急降下したり
やがてどこかへと吹き飛ばされていった
大きな羽をひろげた
人間の姿をした二体を確かに見たが
あれは嵐のなかに住む魔物のたぐいだったか
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