霧雨が降っているが
しばらく
傘も開かずに歩いていく
こんなふうに
霧雨のなか
傘も開かずに歩くことの多かったある時期を
なつかしく
しかし
今のことのように
ありありと生きながら
歳を重ねていくのは
なにひとつ
遠くなってはいかないと
痛切に
心身を以て知るということ
みんな
いなくなってしまったか
歳をとって
もう
連絡もとれなくなってしまったのに
おなじように霧雨は降り
あの頃のままに
だれもが
かたわらにおり
前におり
背後に
おなじ笑顔して
居続けているのを
知る
ということ
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