「洗骨」*という映画を見て
いいなあ
と思ったのは
人に裏切られて会社が倒産してしまってから
妻や息子に借金返しをやらせながら
じぶんひとり
まったくのダメ男になってしまった男が出ていたこと
奥田瑛二が演じていたのだが
なんか
こういう男をちゃんと出してくる映画は
ひさしぶりで
いいなあ
やっぱりダメ男って
すさまじい物語の渦を観客の心に巻き上がらせるよなあ
と
昨今ずいぶん型に嵌まって
21世紀型の窒息をし出している物語界を思いながら
顧みるようだった
ダメになった人が
ダメさのまゝでいるところには
かならず
未来がつむじ風を立てる
いまのニッポンのよくないところは
ダメになったと見せてしまわずに
そこそこ大丈夫なように
小ぎれいにプレゼンしてしまう術を
なさけないことに
だれもが身につけてしまっているところだ
あゝ ダメになってしまいました!
わたし
こんなにダメになって
もう もう
さいはてまで来てしまいました!
と
そう見せて恥じない度量を
みんなが
失ってしまったところだ
0 件のコメント:
コメントを投稿