冬も本当に寒くなってくると
ぼくらの小学校では
石炭を焚いた
石炭だけでは燃えないので
薪もストーブに入れる
火は新聞紙で点けて入れたり
新聞紙を入れておいて
そこにマッチを入れたりする
火を点けるのは
先生がすることが多かったが
生徒は順々にストーブ係をしたので
生徒が火を点けることもあった
石炭や薪を取りに行くのは
ストーブ係の仕事で
冷え込んだ朝や雪の日など
寒くて寒くてつらかった
でもトタンのバケツを提げて
何人かで取りに行くのだ
ストーブの中で燃えた石炭滓も
下の口を開けて掃き出し
それもバケツに入れて捨てに行く
子どもたちのことだから
灰を握って投げ合ったりもする
そうして先生に怒られたりする
こんなだったから
冬の教室は暖かくて
とにかく嬉しいところだった
暖かさがそのまま嬉しさで
この単純な価値観が貴重だった
こんな寒さ暖かさの中で
宮沢賢治なんかを読んだりすると
ぼくらにはよくわかったし
賢治の書く雪や寒さは
遠くもなく昔でもなく
そのままぼくらのもののようだった
こんな子ども時代だったのだ
ぼくらの小さかった頃はまだ
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