なんであれ
親しいひとに
しりあいに
言いたいことがあった頃
早春は
ひとりでいると
なにか欠けているようで
雑木林のほうなどに
出かけて
はやくも芽を出した草や
枯れ枝の先の
まだ堅い芽など見て
ゆうぐれが迫ってくると
灯り出した街灯を
ちょっとうるうる
見つめながら
帰路を急いだりした
言いたいことが
もう
なにもなくなってみると
早春は
ひとりでいても
なにも欠けていない
すばらしい
ひとつの季節
雑木林のほうなどに
やはり
出かけたくなり
はやくも芽を出した草や
枯れ枝の先の
まだ堅い芽など見て
ゆうぐれが迫ってくると
灯り出した街灯を
なに思うこともなく
見つめながら
もう
帰路を急いだりも
しない
もう
帰路というものなど
ない
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