気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
ひとり蕾をつけ
ひとり咲いていた
この梅の花
この閉庭に
きょう
こうして
わたしたちが
見に来なかったならば
かわいそうに
誰にも愛でられず
ひとり
春の風に散っていって
しまった
ことでしょうに
朱雀院に人々まかりて、
閉庭梅花といへる事をよめる
源経信
今日こゝに見にこざりせば梅の花ひとりや春の風にちらまし
『金葉和歌集』巻第一 春部
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