2021年2月28日日曜日

だあれも

  

春になるのに

夏の

蝉時雨のことなど

思い出したく

なったり

冬の

(あれは

(どこの山の

(友だちの小屋の

(庵だったか

燃やしている炭の

ジワーッという

音なき音を

蘇らしていたりして

 

いつのまにか

生きのびているのは

わたしひとりに

なってしもうたよ

 

あれらの時間も

あれらの場所も

もう

だあれも

知らん

 

だあれも






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